麺づくりへのこだわり
受け継がれてきた伝統と技で「小麦本来の美味しさ」を引き出す
当社の麺づくりは、麺の主原料である小麦粉を加工する工程で、小麦の味を最大限に引き出すことを
目指しています。
当社では、「小麦本来の美味しさ」を最大限に引き出す為に、長年の麺づくりの伝統に基づいた技を
基に、最新の機械による製造技術と融合させ、麺づくりを行っています。
一般的に言われている麺の評価である「コシ」「食感」だけでは、麺の美味しさは表現出来ません。
当社では、麺の美味しさには「小麦の甘さ」「香り」「もちもち感」が「コシ」「食感」以上に重要だと
考えています。
麺の「コシ」「食感」は、小麦以外の作物の澱粉、タンパク質等を添加することで簡単に実現できます。
しかし、「麺本来の美味しさ」は小麦自身の澱粉が持っているもので、製麺の基本を壊すことなく加工
技術を極めることでしか、澱粉の美味しさは引き出せません。
長年の経験と研究から得た独自の製麺技術
1.麺の主原料、小麦粉について
小麦粉の成分
1.澱粉が9割前後
2.タンパク質が1割前後
3.ミネラル分が数パーセント
以上のように小麦粉の成分の殆どは澱粉です。
つまり麺づくりとは、小麦粉の主成分である澱粉をいかに美味しく食べられるように加工するのかが
一番重要です。
「甘さ」「もちもち感」「弾力」は澱粉の性質です。
麺の評価でよく言われている「コシ」「食感」はタンパク質であるグルテンが持っている性質です。
2.麺の主な材料
1.小麦粉と塩水で作るのがうどん
2.小麦粉とかん水で作るのがラーメン
3.小麦粉にそば粉を混ぜて真水で作るのが蕎麦
以上のように麺の材料はわずか2〜4種類です。
材料がシンプルなので僅かな添加物を加えることで麺の出来上がりの性質は大きく変わります。
麺の美味しさの鍵は澱粉が握っており、「コシ」「食感」を強くするために添加物を加えても、麺本来
の美味しさは実現できません。
3.麺を作る4工程
1.小麦粉と水分を混ぜる
2.捏ねる
3.延ばす
4.細く切る
小麦粉の一粒一粒は直径が数十〜数百ミクロンと小さすぎるため、水分の表面張力に弾かれて簡単には
水分と馴染みません。
そのため粒子単位で満遍なく混ぜることが重要で、その後の「捏ねる」「延ばす」の工程の出来を左右します。
大きい小麦粉の粒子と小さい小麦粉の粒子の大きさには、10倍前後の差があります。
そのためよく練って捏ね上げることで粒子同士を擦り合わせ、粒の大きさを揃えることが肌理の細かい生地に
仕上げるために必要になります。
製麺時の現場の気温、湿度が捏ね上げる生地の仕上がりを大きく左右します。
湿度が低すぎると捏ね上げているうちに生地が乾燥しすぎ、気温が高すぎると生地が弛れてしまいます。
ドウを延ばして麺帯にするには方向性があり、延ばす方向を一定にする必要があります。
延ばす方向を整えなければ麺のしなやかさが失われ、ただ固いだけの麺になりやすいのです。
硬さとコシは全く別物なのです。
職人たちの麺にかける情熱
麺の材料は数種類しかなく比較的容易く手に入るため、製麺の世界は参入しやすい業界です。
しかし、以上のように製麺加工は材料ごとに、また工程ごとに設定条件、変数が幾つもあり、
その組み合わせは無数で決して一筋縄ではいきません。
製麺の基準となるコンパスは小麦の本質、小麦粉の性質そのものです。
当社には、先人達が数十年にわたって培ってきた技があります。
どんなに設備が近代化されようとフクヤマ食品の麺づくりには機械にまねができないことがあります。
温度と湿度を感じ、そして仕込むこと。
五感を働かせながら、手や指先の感覚で判断を重ねます。
麺づくりで一番重要なのは、職人の細やかな感覚と溢れる情熱。
日々、職人たちとともに、伝統の技と現代の先端技術を融合し、また新たな技術も加え、理想の麺
づくりに取り組んでいます。
皆様とのご縁を大切にし、これかも精進していきたいと思っております。